医療従事者である看護師は、患者の容態が回復へ向かうように常に心構えをしてアプローチしなければなりません。そこで、より効果的な看護を提供するためにすべきことは、患者との信頼関係を築くことです。患者との信頼関係は、良好なコミュニケーションによって成り立ちます。
しかし、この良好なコミュニケーションはなかなか難しい技術です。患者と看護師の隔たりを作ることなく、そのうえ馴れ合い過ぎないことが大切と言えるでしょう。なぜなら、隔たりを作ると患者は言いたいことや聞きたいことを飲み込んでしまい、反対に馴れ合い過ぎると不快感を与えるケースがあるからです。
時折、患者とタメ口で接している看護師を見かけます。場合によっては、そのように接することもあるかもしれませんが、全てのスタンスをタメ口にするのは看護師として正しくありません。勘違いしてはならないのが、親しみと馴れ合いは違うことです。
前者は患者が安心して心を許せるようになるため、看護師は患者の心の動きを敏感に察知しながら言葉を選んで安心感を与える必要があります。ですが、後者は患者がその言動に不快感を抱いたとしても、それに気付かず独りよがりな看護になる可能性もあり、これでは患者と良好なコミュニケーションは取れません。
したがって、看護師は常にさまざまな方向にアンテナを張り巡らせることが大切です。患者の立場に立った思いやりのある声かけ、手助けができるように心がける必要があります。
また、これは長期にわたって患者と関わる病棟よりも、新規の患者も多い外来において特に重要と言えるでしょう。外来を希望する看護師はこうしたコミュニケーションに対する意識を持ちつつ、こちらで外来での働き方を参考にしてみるとより良い看護に取り組むヒントが見つかるかもしれません。